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 管理人の独り言 《第310話》 



 緊急諮問委員会開催





 先日上伊那郡某所にて、じゅうしまつ会緊急諮問

 委員会が非公開で開催されました。


 開催事由は先日3月14日の今井さんの役満成就に

 おける、М・イトー氏の放銃行為についてでした。


 当HP中“トピックス”において、今井さんの役満成就に係る

 コメントで、М・イトー氏の放銃行為についての弁明を求めた

 ところ、後日文書での回答がありました。


 事の重大さを鑑み、じゅうしまつ会運営本部にこの文書を

 預けたところ、表題の運びとなりました。

 まさか私がつい口を滑らせてしまったことが、こんな事態を

 引き起こしてしまうとは ・・・ (・。・;



 開催日当日です。

 私はオブザーバーとして出席を求められました。

 出席者はじゅうしまつ会最高顧問の小芭埜師さん。

 他は委員の耶眞田さん、雄嘉本さん、熊紅羅さんの4名でした。



 最初にМ・イトー氏の弁明書の読み上げから始まりました。

 読み上げは私が行いました。


   以下、弁明書の内容です(一部割愛しています)


(ドラ)

の手配になりを切れば一向聴。

8巡目に下家のをポンされこの時点で を副露

されているので、もうは切れないなあと思い 単騎待ち

にするか、もうオリなければいけないのかと思いました。

ただこんな時には手が入るもので、  

を引けば聴牌するので、まだ8巡目なので切るなら今なのか

とちょっと気持ちに迷いがでました。

をポンされる前にを切りたかったのですが持ち

 すぎてしまいました)


 麻将は何が起きるか解からない。

 改めて麻将の怖さを感じました。

 最後にМリーグ雷電萩原のRМОではないですが

 反省も含めて “JМО”です。

 J(じゅうしまつ会の)

 М(マージャンは)

 О(おもしろいんです)




 弁明書を読み上げた後、各委員の方からの意見が

 続きます。



【耶眞田委員】

 私の若い頃は兎に角“イケイケ”でアガってナンボの

 マージャンだったが、伸るか反るかの勝負事なので

 今回は稀有な事例と考えてよいのではないか。

 防空壕で明日の保証もないところでマージャンをする

 訳でもないので猶更と考える。




【熊紅羅委員】

 2つも副露している時点で を切るなんて、常識として

 あり得ない話だ。

 ちょっとの迷いで済ます話しではない。

 だいたい最後の “JМО”とは何事だ。

 軽んじるにも程がある。

 じゅうしまつ会の品位を著しく失墜させる行為だ。

 厳しい対応があって然るべきではないか。




【雄嘉本委員】

 当人は20回も役満をアガっていれば、役満の価値

 というものも重々承知している筈なのに、自分のアガリ

 ばかりに目をとられ、あまりに自己中心的になり過ぎて

 はないだろうか。

 何が起こるか分からないと解かっていての行為は万死に

 値するものである。

 じゅうしまつ会における“役満”の価値を著しく低下させ

 かねないと危惧される。




 3人の委員から各々意見が述べられ、参加していた

 私としては正直雲行きが怪しくなっていくのを感じました。

 いまのところМ・イトー氏の行為に対し好意的なのは

 耶眞田委員だけで、あとの2人は嫌悪さえ感じさせる

 内容です。


 楽しくマージャンができれば良いと考えてここまできましたが

 思ってもみない展開に、正直困惑の色しかありません。

 愛好会とはいえ軽くて訓告若しくは戒告、事と次第によっては

 最高刑の除名まで・・・なんて考えてしまいます。

 それ程までに今回の放銃行為は重く捉えられているようです。


 最終的には各委員の意見を汲みながら、最高顧問である

 小芭埜師氏の判断に委ねられます。

 暫くの静寂が続いた後、各委員の目が小芭埜師最高顧問

 に向けられます。


 それまで閉じて各委員の意見を黙って聞いていた小芭埜師

 最高顧問の瞳が初めて開きました。

 私は固唾を飲んで彼の声を待ちました。




【小芭埜師最高顧問】

 三元牌を2つも副露している時点で最後のを打ち込む

 事が如何に愚かな行為であることは、ちょっと麻将を

 かじった者なら誰でも解かることであろう。

 そんな行為をする者を格式ある“じゅうしまつ会”に

 名を残させてよいのだろうかと考える者がいても

 いささかも不思議でない事は容易に想像できる。

 マージャンはアガることだけ考えてはいけない。

 自分以外に3人の敵がいるのだから、独りよがりに

 なっては、相手の思うがままになってしまう。


 3人の委員とは正反対にその表情には何の感情も

 感じられません ・・・

 しかし唯一その瞳には一つの力強い意思が感じられ

 ました ・・・

 最高顧問の話しは続きます ・・・


【小芭埜師最高顧問】

 みかん箱の中に腐ったみかんを入れれば、たちまち

 のうちに全てのみかんが腐ってしまう。

 世の中全てが道理で成り立っている。

 ならば腐ったみかんはすぐにでもつまみ上げて捨てて

 しまえばよい ・・・ 


 まわりの空気が凍り付くかの如く、最早息をするのも

 忘れたかのように、私を含めた全員の思考が停止

 した ・・・・・ と直感しました。

 最早これまでか ・・・・・

 何の権限もない私にできることは、彼の言葉を聞く

 ことだけです ・・・

 どうせあとで委員会からじゅうしまつ会運営本部に

 報告がいくでしょうが、オブザーバーとして参加した

 からには、正しく理解しておくことが最後の仕事だと

 思っています。

 覚悟を決めて彼の言葉を待ちます。


【小芭埜師最高顧問】

 私が現役の頃、定例会であまりに国士無双と四暗刻が

 多く出たので、役満表彰から除外しようとした。

 それを公表した2週間後に私が四暗刻をアガってしまった。

 若さ故の勢いでそのまま役満表彰までいってしまった。


 捨ててしまうというのも一つの選択には違いない。

 ただ人間は弱い生き物だ。

 過ちを犯さずに生きるのはとても難しいことだ。

 だからこそ、大事なのは犯した過ちを認めることである。

 そして2度と同じ過ちを犯さないことだ。



 その目は時空を超えた出来事を、どこか郷愁さえ

 含んでいるかのように懐かしんでいるように感じました。


 目線はそのままに言葉を続けます。



【小芭埜師最高顧問】

 聞けばМ・イトー氏はまだ若い。

 若さ故に起こす間違いもあるだろう。

 間違えたら正してやれば良いのだ。

 我々がМ・イトー氏に道を教えることで、先人への

 恩返しにも繋り、そして繋ぐことで“じゅうしまつ会”も

 更に発展していくことであろう。


 3人の委員の表情に先ほどまであった険しさが消えて

 いきます ・・・

 そればかりかその顔には“笑み”さえ浮かんでいます・・・

 もう委員全員の意向を伺うまでもないでしょう。

 最高顧問もそれを悟ったようで言葉を続けます。


【小芭埜師最高顧問】

 という事で今回じゅうしまつ会運営本部からの

 М・イトー氏に係る諮問事項に対する答申は ・・・





 全て不問とする!




 一陣の爽やかな風が流れたような気がしました ・・・



 3人の委員もその風の如く、穏やかな表情をしています。

 私の心配していた最悪の事態も杞憂に終わりました。

 運営本部にもじきに連絡がいくはずです。

 最早私がここにいる理由もありません。

 最高顧問を含めた4人に向かって一礼して出口へ向かいます。


 その間際に小芭埜師最高顧問が笑みを浮かべながら

 誰に言うわけでもない独り言のような呟く声がしました ・・・


 長いこと現役から離れてしまったが、今夜は

 久しぶりに皆の夢の中でマージャンを打たして

 もらうとするか ・・・



 It is uncertain whether this story is true or not.

 Only God knows.






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