管理人の独り言   《第12話》 




   2冊の本   その2

 “攻撃こそ最大の防御なり”・・・カッコ良い響きですよね。

 でも、ただイケイケでは限界があります。

 前回のお話で『小島武夫』さんに感化してしまった私は、完全に迷走していました。

 毎局アガリを目指し、誰かがリーチを掛けても自分がテンパイしてたら、オリることなく突っ張る。

 とにかく攻めるのみでした。

 こうなると勝てません。マイナスがかさむだけです。

 とにかくアガりたい! 

 勝ちたい!

 まったく周りがみえなくなっていました。


 そんなある日、ある駅前の小さな書店の前を通り掛かった時、別に何かを買うつもりではなかったと思いますが

 なぜかその店に入っていました。

 本の棚をぼんやりと見ていると、ある一冊の本が目に留まりました。

本の写真です

 そこには『麻雀常識のワナ  大隈秀夫』と書かれてありました。

 ここで前回同様『大隈秀夫』さんについて、少し説明させていただきます。

 西日本新聞社文化・社会部次長の後、退社、フリーライターになる。

 1971年に第2期麻雀名人位を獲得。1982年には第7期最高位を獲得。

 『守りの神様』と呼ばれ、鉄壁の守りには定評があり、中でも大三元をテンパイしていて、

 一牌の危険牌のために躊躇せずオリた・・・という有名なエピソードの持ち主でもあります。







 前回で紹介した本とは、対極にあるものではないでしょうか。

 とにかく全てが新鮮でした。



 何度も何度も読み返して、あれ程本を読んだのはいつ以来かと思う程でした。

 マージャンに対する心掛けから、如いては人生に対する訓示も数多く記載されていました。

 以来、私の雀風は変わり、劇的ではないにせよ、負けの度合いも減ってきました。

 同時にマージャンに対する見方も変わってきました。


 今までは、如何に自分がアガるかということだけを考えていましたが、私以外の3人のことを考えるようになりました。

 自分が今4人の中でどの位の位置にいるか、他の人は今どのような状態なのか等々と、

 いわゆる“余裕”みたいなものが出てきました。




 マージャンはよく人生に例えられますが、まさにその通りではないでしょうか。

 将棋や囲碁は強い人が勝ちますが、マージャンは強い人が勝つとは限りません。

 弱い人でも良い流れに乗れば勝つことが出来、悪い流れ・いわゆるツキがなければ強い人でも負けます。

 この本の中で書かれていた一文に、


 “麻雀”という二文字を“忍耐”と読めるようになったら

  一人前の打ち手になったと思っていいでしょう。


 まさに至言ではないでしょうか。







 “勝つ”ことのみを目指さなくても、別の楽しみもあるのではないかと認識し、今また久しぶりに

 この2冊を引っ張りだしてきて、読み返しています。

 今ならば対極にあると思ったこの2冊の本に対し、新鮮な気持ちで接することが出来、

 また新たな発見がたくさんありました。


 そんな楽しさを再認識させてもらえる、“じゅうしまつ会”とメンバーの皆さんには本当に感謝しています。

 さて次回のマージャンは、何が起きるのでしょうか?

 楽しみです。


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