“攻撃こそ最大の防御なり”・・・カッコ良い響きですよね。
でも、ただイケイケでは限界があります。
前回のお話で『小島武夫』さんに感化してしまった私は、完全に迷走していました。
毎局アガリを目指し、誰かがリーチを掛けても自分がテンパイしてたら、オリることなく突っ張る。
とにかく攻めるのみでした。
こうなると勝てません。マイナスがかさむだけです。
とにかくアガりたい!
勝ちたい!
まったく周りがみえなくなっていました。
そんなある日、ある駅前の小さな書店の前を通り掛かった時、別に何かを買うつもりではなかったと思いますが
なぜかその店に入っていました。
本の棚をぼんやりと見ていると、ある一冊の本が目に留まりました。
そこには『麻雀常識のワナ 大隈秀夫』と書かれてありました。
ここで前回同様『大隈秀夫』さんについて、少し説明させていただきます。
西日本新聞社文化・社会部次長の後、退社、フリーライターになる。
1971年に第2期麻雀名人位を獲得。1982年には第7期最高位を獲得。
『守りの神様』と呼ばれ、鉄壁の守りには定評があり、中でも大三元をテンパイしていて、
一牌の危険牌のために躊躇せずオリた・・・という有名なエピソードの持ち主でもあります。
前回で紹介した本とは、対極にあるものではないでしょうか。
とにかく全てが新鮮でした。
何度も何度も読み返して、あれ程本を読んだのはいつ以来かと思う程でした。
マージャンに対する心掛けから、如いては人生に対する訓示も数多く記載されていました。
以来、私の雀風は変わり、劇的ではないにせよ、負けの度合いも減ってきました。
同時にマージャンに対する見方も変わってきました。
今までは、如何に自分がアガるかということだけを考えていましたが、私以外の3人のことを考えるようになりました。
自分が今4人の中でどの位の位置にいるか、他の人は今どのような状態なのか等々と、
いわゆる“余裕”みたいなものが出てきました。
マージャンはよく人生に例えられますが、まさにその通りではないでしょうか。
将棋や囲碁は強い人が勝ちますが、マージャンは強い人が勝つとは限りません。
弱い人でも良い流れに乗れば勝つことが出来、悪い流れ・いわゆるツキがなければ強い人でも負けます。
この本の中で書かれていた一文に、
“麻雀”という二文字を“忍耐”と読めるようになったら
一人前の打ち手になったと思っていいでしょう。
まさに至言ではないでしょうか。
“勝つ”ことのみを目指さなくても、別の楽しみもあるのではないかと認識し、今また久しぶりに
この2冊を引っ張りだしてきて、読み返しています。
今ならば対極にあると思ったこの2冊の本に対し、新鮮な気持ちで接することが出来、
また新たな発見がたくさんありました。
そんな楽しさを再認識させてもらえる、“じゅうしまつ会”とメンバーの皆さんには本当に感謝しています。
さて次回のマージャンは、何が起きるのでしょうか?
楽しみです。